マミヤさんと何となく

なんとなくな暇潰しの話を なんとなく楽しんで頂ければ幸いです。

時間

 

 

 

           昔々と言うほど昔でない頃

 

 

          私の大切なバイクはセローだった

         マウンテンバイクの延長の様な軽い車体に

            ボアアップしたエンジン

         軽快な加速と道を選ばず走れる面白さ

             最高のバイクでした

 

      友人らもRZ250.バンディット400.XJR400.ホーネット250.

              色々乗ってて

        暇さえあればバイクで集まり遊びに行ってた

 

      車の免許を取る頃には私と数人の友人は県外で働いていて

            バイクは後輩にあげていた

 

            夕方ご飯の準備をしていたら

        地元に残ってた当時の彼女から電話が来た

 

         何を話してるか全然わからなかったけど

           取り乱してるのはわかった

 

           泣きながら落ち着いて聞いてね

             を繰り返している彼女が

 

              ○○が死んだ

 

               と言った

 

            横浜にいた友人が迎えに来て

        エンジンがが爆発する位車を飛ばし地元へ帰った

 

             友人の体は綺麗だった

                けど

          腹の中身はほとんど破裂してたらしい

 

           わんわん泣く彼女をなだめ

            死んだ友人宅に泊まった

 

     バイクで右折しようとして直進してきた対向車に突っ込まれた

            意識はあったが話す力はなく

           ひたすら血を吐いて死んだらしい

 

    看取ったのは事故現場の交差点にある店で働いていていた後輩だった

     加害者は警察と99車が来るまで運転席で固まったままだったという

          私らの3つ年上の男だった

 

     憔悴した両親と妹が一生懸命駆け付けた私らにお礼を言ってた

 

       加害者が両親を連れて訪ねてきて玄関で土下座した

            対応するご両親の後ろで

         私らは後輩連中に押さえ付けられていた

 

             葬式も一通り終わり

        友人家族に挨拶を済ませて地元を離れた

             帰り私が運転する車で

           助手席の友人が泣いてた

 

       その友人は3年後に死んだ友人の妹と結婚した

 

     死んだ友人は馬鹿な私ら連中の中では一番常識があった

      短気で勉強できないケンカ大好きの脳筋だったけど

          中身はいいやつで人望があった

 

        相変わらずそいつの為に涙一粒流せない私は

          やはりずれてるんでしょうね

 

      お前死んだのに泣けないわ

              と言ったら

    ははは!○○ちゃんはそうだろーね!

          ってアイツは言う気がする

 

         私のおかしさを受け止めてくれてる友人ら

                頼むから

          もう、私より先に死なないでくれ

 

         そう思いなんとなく生きてる日々です