マミヤさんと何となく

なんとなくな暇潰しの話を なんとなく楽しんで頂ければ幸いです。

火の元

 

こんばんは

 

Pen F + mamiya-sekor 55mm F1.4 FOMAPAN 200

 

 

骨董屋に着いたら

見慣れぬ車が止まってて

開店時間が過ぎた店内に

店主と見知らぬおっさんの二人

 

んで

机の上に

二振りの刀

 

、、、あ~成る程

 

なるだけニコやかに挨拶して

二人の間に入ると

 

○○ちゃん

ごめんねこんな時間に

この刀なんだけど、、、

 

うん

買取りですかね?

見ればいいんですか?

 

そう

お願いできるかな

 

大体でしか言えませんよ?

 

それでいいから

 

という

やり取りの最中も

おっさんはナニやら不機嫌そうに

こちらをジロジロ

 

じゃぁ拝見させていただきます

いいですか?

 

頷いたので

目釘を外し

刀身を抜き

眺め始めたら

 

うちの親父が昔100万で買ってきたんだ

だの

いい刀らしくて欲しがる業者も居てなぁ

ですとか

饒舌饒舌

 

へぇ~凄いですねぇ

などと

適当に相槌を打ちつつ

二振り目も拝見

 

ん~

大きく見積もっても

3万って所ですね

 

3万?

親父は100万で買ったんだよ?

 

ええ

オマケして3万です

そもそも

100万の価値が

最初からありませんよ

 

この発言におっさんヒートアップ

 

ネットで調べてきただの

ぼったくる気だの

お前なんかに分かるのかだの

喚き散らしやがります

 

んじゃ

説明しましょうか

 

どちらの清光も

量産品の鈍です

製作当時は

奈良なんかで買える木刀みたいなもんです

 

年期銘は後世切られた贋物

こちらは磨ぎ減りが酷く

こちらは鎬に鍛え割れがあって実用としても観賞用でも駄目

擦り傷、曇り、錆びがちらほら有り保存状態も最悪

お話になりません

 

刀を勉強してる方なら

1万でも買いませんよ

 

お父様が100で買った

というのは本当ですか?

 

わたしが信用できないのでしたら

▲▲という刀剣店が市内にあるので

そちらへ持ち込んでは如何でしょう?

 

軽い小競り合いをしてたら

 

お父様が大事にしてたのなら

持ち帰って家で大切にするのもいいと思いますよ

価値は値段じゃありませんから

ニコニコ店主がまろやかに間に入場

 

骨董は騙す人間も多いですから

しっかり勉強するのも大事ですし

自分が気に入ったものを納得して購入するのが大事です

 

騙す方も悪いですが

騙される方も悪いんです

 

店主に散々

まろやかになだめられ渋々帰っていきました

 

○○ちゃん

ハッキリ言いすぎだよ

と苦笑い

 

あっちが態度悪いから

同じ態度で返しただけです

 

まぁねぇ、、

色々講釈垂れてたし

お金作りたかったんだろうね

 

その程度の人間には

その程度の縁しか出来ないだろうねぇ

 

そうなんでしょうね

 

○○ちゃんも良縁に恵まれないしw

 

あれ?

おれの話?

 

そうだ

こんなモノが入ったんだけど、、、

 

後ろの長持ちをゴソゴソ

その瞬間

ブワッと灰色の煙と焦げ臭い匂いが

 

待って待って

それ出さないでください

見たくないです

 

え~

いいモノだと思うんだけどなぁ

 

なるべく早く別の業者に渡して

遠くにやってくださいね

 

え~

飾ろうと思ったのに、、、

 

 

 

さてさて

 

 

わたしの縁も大概ですが

毎度毎度ピンポイントで曰く憑きのモノに巡り合う

店主の縁も中々、、、

 

客の評判もよく

お店の雰囲気も良い

店主の不思議な磁力は

人だけで無く

モノにも愛されてしまうんですかね

 

忘れない内に記録して寝ます

あ~ぁ

明日は月曜だというのに疲れたなぁ

 

という

お話