こんばんは
骨董屋に着いたら
見慣れぬ車が止まってて
開店時間が過ぎた店内に
店主と見知らぬおっさんの二人
んで
机の上に
二振りの刀
、、、あ~成る程
なるだけニコやかに挨拶して
二人の間に入ると
○○ちゃん
ごめんねこんな時間に
この刀なんだけど、、、
うん
買取りですかね?
見ればいいんですか?
そう
お願いできるかな
大体でしか言えませんよ?
それでいいから
という
やり取りの最中も
おっさんはナニやら不機嫌そうに
こちらをジロジロ
じゃぁ拝見させていただきます
いいですか?
頷いたので
目釘を外し
刀身を抜き
眺め始めたら
うちの親父が昔100万で買ってきたんだ
だの
いい刀らしくて欲しがる業者も居てなぁ
ですとか
饒舌饒舌
へぇ~凄いですねぇ
などと
適当に相槌を打ちつつ
二振り目も拝見
ん~
大きく見積もっても
3万って所ですね
3万?
親父は100万で買ったんだよ?
ええ
オマケして3万です
そもそも
100万の価値が
最初からありませんよ
この発言におっさんヒートアップ
ネットで調べてきただの
ぼったくる気だの
お前なんかに分かるのかだの
喚き散らしやがります
んじゃ
説明しましょうか
どちらの清光も
量産品の鈍です
製作当時は
奈良なんかで買える木刀みたいなもんです
年期銘は後世切られた贋物
こちらは磨ぎ減りが酷く
こちらは鎬に鍛え割れがあって実用としても観賞用でも駄目
擦り傷、曇り、錆びがちらほら有り保存状態も最悪
お話になりません
刀を勉強してる方なら
1万でも買いませんよ
お父様が100で買った
というのは本当ですか?
わたしが信用できないのでしたら
▲▲という刀剣店が市内にあるので
そちらへ持ち込んでは如何でしょう?
軽い小競り合いをしてたら
お父様が大事にしてたのなら
持ち帰って家で大切にするのもいいと思いますよ
価値は値段じゃありませんから
と
ニコニコ店主がまろやかに間に入場
骨董は騙す人間も多いですから
しっかり勉強するのも大事ですし
自分が気に入ったものを納得して購入するのが大事です
騙す方も悪いですが
騙される方も悪いんです
店主に散々
まろやかになだめられ渋々帰っていきました
○○ちゃん
ハッキリ言いすぎだよ
と苦笑い
あっちが態度悪いから
同じ態度で返しただけです
まぁねぇ、、
色々講釈垂れてたし
お金作りたかったんだろうね
その程度の人間には
その程度の縁しか出来ないだろうねぇ
そうなんでしょうね
○○ちゃんも良縁に恵まれないしw
あれ?
おれの話?
そうだ
こんなモノが入ったんだけど、、、
後ろの長持ちをゴソゴソ
その瞬間
ブワッと灰色の煙と焦げ臭い匂いが
待って待って
それ出さないでください
見たくないです
え~
いいモノだと思うんだけどなぁ
なるべく早く別の業者に渡して
遠くにやってくださいね
え~
飾ろうと思ったのに、、、
さてさて
わたしの縁も大概ですが
毎度毎度ピンポイントで曰く憑きのモノに巡り合う
店主の縁も中々、、、
客の評判もよく
お店の雰囲気も良い
店主の不思議な磁力は
人だけで無く
モノにも愛されてしまうんですかね
忘れない内に記録して寝ます
あ~ぁ
明日は月曜だというのに疲れたなぁ
という
お話