こんばんは
手放したくないけど手放した唯一のカメラ
中身がフルオリジナルでなければ
修理を繰り返して死ぬまで愛用しただろうなぁ、、、
産まれたままのA型を崩すなんて
わたしにゃできませんでした
Aさん
元気かなぁ、、、、
遠慮せず修理に出せるA型欲しいなぁ、、、
写りも
使い心地も
一番良かった
やっぱA型は好き
さてさて
縁がある
縁がない
と
人に限らず
モノにもあるわけですが
その縁が
良縁ではない事もあります
そーいうモノの場合
多くは
人が選ぶのでなく
モノに選ばれてるんです
という
御噺を1つ
とある部分を
分かる人にだけ
分かるように書きます
わたしが20代の阿呆小僧な頃
趣味を通じて仲良くなった
とあるお爺さんが居ました
その趣味とは
日本刀
以前も書いたかもしれませんが
元々は斬ることから日本刀に触ってきたわたしと違い
そのお爺さんは
観賞と収集がメインの真面目な趣味家でした
自宅に招かれ
自慢の刀を拝見させていただき
興味の無い人なら欠伸の出るような話を
何時間も何時間もするのは
わたしには
とても面白い時間でした
どんな趣味でもそーでしょうが
特に骨董関連
というのは
現物を
知識の無い人間に触らせたり
渡すというのは
気軽に出来るものではありません
壊す
盗む
なんてされたら
笑い事では済みませんからね
なので
たかだか20代のなんとなくな小僧を
自宅に招き
惜しげもなく
数々の名品を手にとらせ
あれこれ教えていただけたのは本当に嬉しかったです
とある訪問日
優しい奥様に
何時もの様に客間に通されると
お爺さんの横に
古い刀箪笥が置いてありました
ニコニコしながら
お爺さんが言うには
無くなった知人の奥様が処分に困り
箪笥ごと譲ってきたらしいのです
これは
刀では良くあること
美術品
奉納品
とはいえ
日本刀は人斬り包丁なので
遺されても
喜ばれることは少ないです
それを二束三文でまとめ買いするのが
業者なので
自宅に刀が遺品として出てきたら
信頼できる方に相談しましょうね
さて
噺を戻しましょう
年季の入った刀箪笥は
米びつの様な上蓋タイプの古いもの
話を聞きながら
へー
ほー
とふんふん聞いてる小僧に中身を見せようと
蓋を開けるお爺さん
ことん
と
音を立てて蓋が開いた瞬間
左耳を引っ張られる感触と
鼓膜を刺された様な痛み
同時に耳鳴りで左耳の音が一切
聞こえなくなりました
反射的に左耳を抑え
振り向きましたが勿論誰も居ません
幸いお爺さんは玉手箱を漁るのに夢中で
わたしの奇行には気づかなかったです
中からは
数本の槍
数振りの太刀
数振りの大刀
数振りの短刀
そして
一振りの鎧通しが出てきました
鎧通しとは
見かけは短刀ですが
通常の短刀よりも重ねが厚く細身で
実戦では
とある用途に多用されたと言われてます
箱から出てきた
そんな鎧通しですが
刀身が収まっていた拵えは
鮫皮を巻き潰した上で黒く塗られていて
星が散るようで見事なものでした
他の刀剣も
拵えの有無にかかわらず
綺麗に保存されていて
とても美しいものでした
好きに見てくれ
と
お爺さんにニコニコ言われ
普段なら
飛び上がるほど嬉しかったのですが、、、
当時
その日
その時
その場所で
あなたの心境は?
と言われれば
今すぐ帰りたい
でした
どーーーしても
その
鎧通しが恐い
でも
小僧は
招いてもらってる上
ご厚意でお爺さん流のサービスを受けてる訳です
その鎧通しキモイんで
帰っていいッスか?
なーーーんて
へらへら言えないんです
この槍は見事でしょう
この太刀の肌を見てみなさい
と
興奮気味のお爺さん
いやー
綺麗ですねー
この刀工の太刀n~
と
小僧は話しつつも
ゾワゾワが止らず
苦笑い
途中奥様がお茶を差し入れてくれたんですが
味なんてしないんです
だって
ずーーっと
生臭くて鉄臭いんですもの
気分転換にタバコ吸っても
味がしない
左耳が痛い
そわそわサワサワしてると
お爺さんが不自然な態度の小僧に
落ち着かないでしょう?
と
ニコニコ
ん?
○○くんはどれが嫌?
と
ニコニコ
雰囲気を察し
鎧通しを指差す
ふふふ
やっぱり
と言うと
ゴソゴソ刀箪笥を漁り
数枚の紙をわたしに渡す
古い書
達筆な筆文字で
ナニやらスラスラ書かれてるので
ボンクラ小僧には読めない
首を捻ってると
それはね
鎧通しの云われ書き
と
タバコをプカプカしながらニコニコ
お爺さんの話では
気になった以前の持ち主は
色々調べたらしいです
数枚の紙は
数人によって書かれていて
書かれたのは
江戸時代頃
幕末頃
昭和初期頃
書かれてる内容は、、、、、
鎧通しがとある戦場で
とある武士が帯刀していた事
多くの首を取り
手柄を称えられ主から褒美を貰ったこと
その後
商人の手に渡り、、、
といった
履歴書のようなものらしい
なるほどねぇ、、、
死んだ知人も
これは
良いモノだが
駄目なモノだ
って
よく言ってたからねぇ
と
ニコニコ
なーるほどねぇ
亡くなった以前の持ち主の
知人さん
居合いの先生だったらしいです
なーーーるほどねぇ
わたしには
全~然分からないけど
○○くんならね
と
プカプカニコニコ
、、、あはは
縁には共通点がある気がします
悪縁の場合は必ずあります
悪縁は手にしてしまうと
手放すほうがリスクを伴う事が多いです
知人さん
分かっていたんでしょうねぇ
そんな
小僧をからかいかまってくれた
お茶目なお爺さんも奥様も
今は亡くなり
秘蔵のコレクションは世に流れました
躓かなきゃ
小石には気が付かない
縁なんてそんなもんです
良いか悪いかは人次第でしょうが
モノ次第の縁もある
という
御噺