マミヤさんと何となく

なんとなくな暇潰しの話を なんとなく楽しんで頂ければ幸いです。

簡単な終わりと思い出

 

 

                 こんばんは

 

                 さてさて

 

            前回出張マッサージと書きましたが

         近頃は人間側の方も主流になりつつあるようですね

      

              私が関東圏で働いていた頃

                免許を取って直ぐに

          社長の知り合いの方が出張サービスをしていて

              少しでも金を稼ぎたかった私は

             一時期送迎のバイトをしてました

 

              昼間も働いていましたが

            バイトととは言え送り迎えのみで

           あとは連絡来るまで寝てられたから

              給料が高く楽な仕事でした

 

            お姉さん方は各々個性派揃いで

         優しい方~気難しい方まで本当に様々でした

 

             にぎやかなグループもあれば

               乗り会わせによっては

          気まずくなるほど顔すら見合せない方もいて

 

                それが面倒でした

 

           げー!またアイツ!!しつこいから嫌だなぁ

            コイツは早いからラッキーじゃん!

 

               なーんて会話は慣れっこで

        本当にディープな内容も軽々しい口調で話すお姉さんらは

             何か面白くて個人的には好きでした

 

        あんまり深入りしちゃダメよ?

       理由はどうあれそこにいるって事は

         背負った連中なんだからね

 

               ある時ママ?にこう言われた

 

         2ヶ月も経てばお姉さんらとも普通に話す間柄になり

                みんなでご飯に行ったり

               お酒に付き合ったりしていた

 

      ○○くんお疲れ様ー!

 

           お姉さん方の中でも特に良く話したAさんは

          明るく背が低いけどハキハキした元気な人だった

 

               お客にも人気があるらしく

              プレゼントを貰ったりしていたが

              みんな後輩や仲間にあげていた

 

       まぁ理由は知らないけど迷惑しているのは何となく分かった

 

             当然女社会なので妬み嫉みもあって

             車では本人不在の悪口会議が度々あり

            女の薄っぺらいプライドにうんざりしてた

 

          11月頃に昼間も現場が忙しくなり始め月末からしばらく

                 運転手を休む事になった

 

     また、皆で遊びに行こうね

 

         11月最終日Aさんは車を降りる際私の頭を撫で笑ってた

 

                  12月の中頃

          現場から帰宅中何時ものお姉さん?らに捕まった

 

                 店内に連れてかれ

                  カウンターへ

          ナニやらママ?が真剣な面持ちで私の隣に座る

 

        ○○ちゃん、○○さんのお店のAって子知ってるわよね?

 

              あのねAさん亡くなったって

 

                   遺書は無し

                首吊り自殺だったらしい

              遺体はご家族が引き取っていき

               身内だけで葬儀も終えていた

           

                理由は未だに分からない

               私の送迎最終日の朝方~夜の間に

                  Aさんは死んでいた

 

      夕方連絡がつかず訪ねたお店の方がぶら下がるAさんを見つけた

             

       昼間の現場仕事のピークが過ぎても私は送迎には戻らなかった

 

        人の死がこんなに単純で身近で下らないと初めて知った

       Aさんがどーしてあの道に入り何故死んだのかは知らないけど

 

                 この時期になると

 

        ○○君お疲れ様、またねー!

 

          と手を振り笑いながら車を降りてくAさんを思い出す

 

                  悲しいというより

                    寂しい

    

               当時のAさんの年齢を越えて

             世の中こんなもんだと分かり始めても

              Aさんが抱えたものは分からない

                分かる事もないと思う

 

          分かるならばAさんと同じオチに行くのだろうし

 

                    ただ

                 私の知るAさんは

        明るくて背が低いけどハキハキ元気で笑顔が可愛い優しい人

            それだけ覚えていれば十分なのかなぁ

                と、何となく思っている

 

               十代の冬の思い出って話でした